あだな4

「ええ、今日も始まりました。みんなのあだ名コーナーです」

「先日、わたくしはコンビニエンス・ストアで、おもしろい男を見ました」

「彼はひどくボロいかっこうをしていたのだが、恥ずかしがっている様子はまったく無かった」

「ホームレスではない」

「どちらかといえば、意図的にボロいかっこうをしている」

「そのボロいかっこうにプライドを持っている様子だった」

「ボロボロの運動靴」

「少なくとも数年は着続けているジャージ」

「そして彼はなぜかズボンのすそをまくしあげていた」

「わたくしは彼を・・・・」

「日本一周に失敗した人」

「と名づけました」

「あれ、何だこの空気・・・・」

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adana5

「ええ、今日も始まりました。みんなのあだ名のコーナーです」

「先日、わたくしは駅のホームですらっと背の高い労務者風の男を見つけました」

「50代後半だろうか。そのかっこうから彼が生活に苦労していることは容易に想像できた」

「ただ脚は細くて長いし、シルエットはかっこうよい」

「そしてロンゲである」

「若い頃からロンゲでキメていたのだろう」

「ただ、その彼も今や白髪だ」

「シルバーのロンゲをなびかせながら彼は肩で風を切り、歩いていた」

「まるで、これでもむかしはオレも一時代築いたことあるんだぜ、という足取りだった」

「わたくしは彼を・・・・」

「葬り去られたヴィジュアル系」

「と名づけました」

「あれ、何だこの空気・・・・」

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アダナ6

「はい、今日も始まりました。みんなのあだ名のコーナーです」

「みなさんはパンクロッカーを見たことがおありでしょうか?」

「もし見かけたことがあったとしたら、それはきょうび大変珍しいことです」

「先日、わたくしはその奇跡にあやかった」

「わたくしは多摩川の土手を散策中、パンクロッカーを見つけたのだが」

「とにかく、昔のGBHのメンバーなどはウニみたいに頭髪を四方に立てていたものだ」

「ところが、わたくしが見た彼は日本人だからか」

「それとも周囲に気を使っていたのか」

「彼は全ての髪を天に向かって立たせていました」

「わたくしは彼を・・・・」

「ものすごい速さで落ちてるやつ」

「と名づけました」

「あれ、何だこの空気・・・・」

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趣味

オバマ「おまえさ、ジミー・ペイジ知ってる?」

ヤツェニュク「ええ」

オバマ「昔、ジミーは『音楽さえ良ければバンド名なんて何でもいい』」

オバマ「『だからレッドツェッペリンじゃなくてポテトサラダにしようと思ってたんだ』」

オバマ「インタビューでそんなこと言ってたの知ってるか?」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「だが、幸いなことにポテトサラダは免れた。恐らくロバート・プラントやジョン・ボーナムがジミーを一週間ほど軟禁して説き伏せたのだろう」

オバマ「おまえ想像してみ?」

オバマ「ツェッペリンは1stから4thアルバムまでタイトルつけなかったんだぜ?」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「へビィロックの夜明けを告げたツェッペリンの名盤が『ポテトサラダⅠ』と『ポテトサラダⅡ』だったらどうする?」

オバマ「そしてツェッペリンの名曲『天国への階段』が収録された大名盤が『ポテトサラダⅣ』だったらどうだ?」

オバマ「絶対やだろ」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「ポテトサラダの『胸いっぱいの愛を』なんて、絶対・・・・」

オバマ「いらんわ!」

オバマ「てなるし」

オバマ「ポテトサラダの『天国への階段』なんて、もうナメてるとしか思えない」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「む、ちょっと話題がマニアックすぎたかな・・・・」

ヤツェニュク「・・・・」

ヤツェニュク「いや、ぼくジミー・ペイジ好きなんですけどソロアルバムやファームのアルバムが早くリマスターされないかなってずっと待ってるんです」

ヤツェニュク「なぜジミーのソロやファームのアルバムが未だにリマスターされないか不思議じゃないですか?」

オバマ「うむ、何でだろうな・・・・」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「おまえマニアだな」

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オバマ「おい」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「あのな」

オバマ「新しいキャラ考えたぞ」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「妖怪 顔だけおじいさんだ」

ヤツェニュク「へえ・・・・」

ヤツェニュク「・・・・妖怪顔だけおじいさん・・・・」

ヤツェニュク「なんかワザはあるんですか?」

オバマ「あれ?」

オバマ「おまえが食いつくなんて珍しいな!」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「いや、ワザなんかない」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「妖怪顔だけおじいさんは顔だけがおじいさんの妖怪なんだ」

オバマ「でも身体は若いから自分のことは全部自分でできるんだ」

ヤツェニュク「・・・・」

ヤツェニュク「・・・・ほお」

オバマ「おまえやっぱぜんぜん興味ないだろ」

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ひとりごと

ビンラディン「先日、TVをつけたんだ」

ビンラディン「そしたら猫が上から落ちてくるひと筋の水をじっと見てるんだ」

ビンラディン「ネコは、まるで未知の瞬間を目撃でもしたように動かない」

ビンラディン「ずっと落ちてくる水を見ているんだ」

ビンラディン「『いったいこの水はなんだ?』ていう表情だった」

ビンラディン「わたくしもそう思った」

ビンラディン「何のことはない。カメラの構図がよくなかったんだな」

ビンラディン「ハンモックで寝てる赤ちゃんをカメラが切り捨てていたんだ」

ビンラディン「それがわかるまでは『やけにシュールな画だな』と思って見てた」

ビンラディン「つまり赤ちゃんがおしっこをもらしてたのさ」

ビンラディン「ネコは水が落ちなくなるまでずっと見守っていた」

ビンラディン「わたくしは思った」

ビンラディン「このネコはあの水がいったい何なのか知ることもなく死んでいくんだろうな、と」

ビンラディン「そう思うと切なくないか?人間だったらすぐに『ああ、赤ちゃんがおしっこ漏らしたんだ』と理解する」

ビンラディン「でもネコはそれさえ理解しないまま・・・・」

ビンラディン「死んで行くんだ・・・・」

神「死んでるのはおまえだ」

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ゲーム

オバマ「おい」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「もしあれがポテトサラダだったらやだなゲームやらないか」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「じゃあオレからいくぞ」

ヤツェニュク「ええ」

オバマ「もしも・・・・」

オバマ「もしも星野鉄郎がポテトサラダになりたくて銀河鉄道999に乗ってたらいやじゃないか?」

ヤツェニュク「なるほど、そうきましたか・・・・」

ヤツェニュク「わたくしごとき若輩では難解すぎてとてもコメントいたしかねます」

ヤツェニュク「ていうか、ぼくが編集なら松本先生止めてます」

オバマ「ふふふ」

ヤツェニュク「あれ、どうしたんですか」

オバマ「いや」

オバマ「ポテトサラダになりたがる鉄郎を見て」

オバマ「困ってるメーテルを想像たんだ」

ヤツェニュク「ぼくはそうだな、ジェームス・ディーンの『理由なき反抗』ありますよね?」

ヤツェニュク「ジミーがポテトサラダが嫌いで反抗してたらいやじゃないですか」

オバマ「ほお」

オバマ「そうきたか」

オバマ「なかなか考えさせるな・・・・」

オバマ「お母さんもポテトサラダが原因で家出したと捉えることもできる・・・・」

ヤツェニュク「いや、それ『エデンの東』ですよ」

オバマ「ならばハリウッドの影の重鎮、アンダーグラウンドの帝王ケネス・アンガーの遺作が『ポテトサラダ』だったらいやだろ」

オバマ「どうだ」

ヤツェニュク「さすがですね」

ヤツェニュク「ケネス・アンガーってものすごいポテトサラダから遠いところにいますよ」

オバマ「正にその通り」

オバマ「アンガーにとってポテトサラダは未知なんだ」

オバマ「ポテトサラダこそアンガーが芸術家として最後に取り組むべきテーマではないか!?」

ヤツェニュク「じゃあぼくはそうだなあ・・・・」

ヤツェニュク「ブルース・リーの『燃えよドラゴン』ありますよね」

オバマ「うむ」

ヤツェニュク「あの中でブルースが敵を踏み殺して恍惚の表情を見せる名シーンがあります」

ヤツェニュク「あのときのブルースがほんとは・・・・」

ヤツェニュク「ポテトサラダ踏んでたらいやじゃないですか」

オバマ「おまえには勝てんわ」

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第二戦

オバマ「おい第二戦だ」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「前回はおまえに負けたが今日は負けんぞ」

オバマ「じゃいくぞ!」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「フィンチャーの『セブン』覚えてるか?」

オバマ「当時、猟奇的な作風と読めない展開が完全なオリジナルってことで全世界的にセンセーションを呼んだものだ」

ヤツェニュク「ええ」

オバマ「で」

オバマ「あの最初に死んでた巨漢の人、覚えてるか?」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「あの人が役者じゃなくて特撮だったらすごいいやなんだけど」

オバマ「あ、間違えた」

オバマ「あの人が特撮じゃなくて役者だったらすごいいやなんだけど」

オバマ「まあ、それは置いといて・・・・」

オバマ「あの人がポテトサラダ食いすぎて死んでたらいやじゃないか」

ヤツェニュク「・・・・そうですね」

ヤツェニュク「しかも、あの人が『スパゲッティだったら絶対死ななかった』なんて書き遺してたらいやですね」

オバマ「む」

オバマ「おまえなかなかやるな・・・・」

ヤツェニュク「じゃあこれはどうですか?」

ヤツェニュク「放射能を浴びて怪獣になったポテトサラダを殺せなかったウルトラマン」

オバマ「それいやだな」

オバマ「子供の頃、何がいやって怪獣を殺さないウルトラマンほどいやなものはなかったぞ!」

ヤツェニュク「・・・・」

ヤツェニュク「それじゃあ、ジャミラの回みてどう思いました?」

オバマ「・・・・」

オバマ「泣いた・・・・」

ヤツェニュク「ノンマルトの回みてどう思いました?」

オバマ「・・・・」

オバマ「泣いた・・・・」

オバマ「じゃあそうだな」

オバマ「おまえさ、スタローンの『ロッキー』はもちろん知ってるだろ」

ヤツェニュク「ええ世界的な名作です」

オバマ「ロッキーがラストで『エイドリア~ン』じゃなくて『ポテトサラダ~』て叫んでたらいやじゃないか」

ヤツェニュク「・・・・」

ヤツェニュク「それ、エイドリアン気い悪いですよね」

ヤツェニュク「ラストシーンでロッキーがエイドリアンにボコボコにされてたらすごいいやだな・・・・」

ヤツェニュク「それじゃあこれはどうでしょうか?」

ヤツェニュク「ロビンソン・クルーソーがどうしてもポテトサラダ食べたくなって無人島でじゃがいもを栽培するんです」

ヤツェニュク「で、じゃがいもの一大産地になっちゃってヨーロッパと交易するんです」

オバマ「ヨーロッパに帰れよ」

オバマ「おい。今きづいたんだけどさ」

オバマ「なんかさ。このゲーム。漫画家と編集のうち合わせみたいになってねえか?」

ヤツェニュク「うわ」

ヤツェニュク「それ、すごいいやですね」

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CM

オバマ「あのさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「先日、TVを見ていたら健康食品のCMをやっていたんだ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「そしたらなんと」

オバマ「102歳のおじいさんが出てきたんだ」

ヤツェニュク「へえ」

オバマ「それはいいんだ」

オバマ「だが、おじいさんの自宅に場面が変わったんだ」

オバマ「するとそこに・・・・」

オバマ「ものすごい小さいおばあさんがいたんだ」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「そのおばあさんが105歳に見えたんだ」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「で、おれは・・・・」

オバマ「おじいさんがおばあさんに負けたように見えたんだ」

ヤツェニュク「ほお」

オバマ「おまえ全然興味ないだろ」

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サンダース「バイデンさん」

バイデン「何だねサンダースさん」

サンダース「わしは先日、ウォークマンを聴きながらスーパーに行ったんだ」

バイデン「そうなのかい」

バイデン「どうもご機嫌じゃないか」

サンダース「そうなんだ」

バイデン「で」

バイデン「何を聴いていたんだね」

サンダース「サスペリアを聴いていたんだ」

バイデン「そうか」

サンダース「しかし、サスペリアを聴いていたらだんだん怖くなって」

サンダース「まわりのおばあさんがみんなわしを殺そうとしているように見えたんだ」

バイデン「なるほど」

サンダース「だからわしはもうスーパーでサスペリアを聴くのはやめたんだ。うぐう」

バイデン「いや」

バイデン「ここで聴くのをやめたら負けたことになるぞ」

バイデン「勝つまで聴き続けろよ」

サンダース「いや」

サンダース「わしはこれからはもっとスーパーに合う曲を聴くことにしたんだ」

バイデン「ほお」

バイデン「そうなのか」

サンダース「そうなんだ」

バイデン「で」

バイデン「どんな曲だい」

サンダース「ピーター・ガブリエルを聴こうと思うんだ」

バイデン「ぜんぜん合わねえだろ」

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問題提起

「アレ!」

「アレだよアレ!」

「絶対読んでない!」

「なにが?じゃねえよ!」

「こどもの速読のことだよ!」

「ニュースで見たんだけどさ・・・・」

「速すぎるんだよ!」

「あれじゃ・・・・」

「パラパラマンガだってまともに見れねえだろ!」

「あれ、何だこの空気・・・・」

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祈り

オバマ「おまえさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「電車の中でひとりごと言ってる人、見たことあるか?」

ヤツェニュク「ええ、あります」

オバマ「あの人たちさ。すごいうまいんだよな」

オバマ「車内アナウンスの真似」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「オレなんかさ」

オバマ「一度だまされたことがあるんだ」

オバマ「それで違う駅に降りてしまったことがある」

オバマ「終電だったからそこのホームのベンチで寝るハメになってしまったんだ・・・・」

ヤツェニュク「へえ」

オバマ「オレはいつも思うんだ」

オバマ「あれは天から与えられた才能なのではないか、と」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「あの才能を使わないのは社会にとって損失ではないか、と」

オバマ「あれじゃあまるで噺家が無人島で高座にのぼるようなもんだろ」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「だからいつも祈ってるんだ」

オバマ「あの人たちがちゃんと・・・・」

オバマ「JRに入社できますように、と」

ヤツェニュク「ほお」

オバマ「いや、私鉄でもいい」

ヤツェニュク「ほほお」

オバマ「おまえ全然興味ないだろ」

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シリーズ「人生」

サンダース「バイデンさん」

バイデン「なにかねサンダースさん」

サンダース「わしは先日」

サンダース「かりあげ以外のなにものでもないやつ」

サンダース「を見たんだ」

バイデン「ほお」

バイデン「で」

バイデン「それはどんなやつなんだ?」

サンダース「は?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

シリーズ「人生」

サンダース「バイデンさん」

バイデン「なにかねサンダースさん」

サンダース「わしは先日」

サンダース「モヒカン一歩手前のやつ」

サンダース「を見たんだ」

バイデン「ほお」

バイデン「で」

バイデン「それはどんなやつなんだ?」

サンダース「すまん間違えた」

サンダース「モヒカン一歩手前のやつはかりあげ以外のなにものでもないやつと同じなんだ」

バイデン「そうか」

バイデン「あのう看護師さん」

バイデン「昼飯はまだかね?」

サンダース「もしもし?」

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怖い話

バイデン「サンダースさん」

サンダース「何かねバイデンさん」

バイデン「君はいま何か怖いものがあるかい?」

サンダース「特にないな」

サンダース「バイデンさんは怖いものがあるのかい?」

バイデン「わたくしは・・・・」

バイデン「急に走り出すカートのおばあさんが怖い」

サンダース「なるほどな」

サンダース「つーか」

サンダース「それくらい見切れよ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

怖い話2

記者「二階さん、二階さんは何か怖いものがおありですか?」

二階「うむ、わたくしは・・・・」

二階「ブランコに乗ってる大人が怖い」

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造語

記者「二階さん、二階さんには理解できない言葉がありますか?」

二階「そうだな。わたくしは」

二階「一卵性親子という言葉が理解できない」

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反論

オバマ「あのさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「先日、韓国ドラマを見ていたんだ」

ヤツェニュク「ええ」

オバマ「で」

オバマ「そのとき韓国ドラマの人に」

オバマ「くっせーよ」

オバマ「って言われたんだ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「それが悲しくてな」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「確かにオレは屁をこいた」

オバマ「ものすごいでかい屁だったかもしれん」

オバマ「自分でも驚いたくらいだ」

オバマ「しかしミは出てないんだ!」

ヤツェニュク「ほお」

オバマ「それだけは・・・・」

オバマ「それだけは言わせてくれ!!」

ヤツェニュク「ほほお」

オバマ「おまえぜんぜん興味ないだろ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

苦悩

サンダース「はあ・・・・」

バイデン「どうしたんだねサンダースさん」

バイデン「深いため息なんかついて」

サンダース「いやね」

サンダース「聞いてくれるかい?」

バイデン「うむ、聞こうじゃないか」

バイデン「いったい何が君をそんなに悩ませているんだ?」

サンダース「ウチの蛍光灯はシーリングなんだ」

サンダース「だが最近」

バイデン「うむ」

サンダース「いくらリモコン押しても電気がつかないんだ」

サンダース「まるで変身できないウルトラマンみたいでな」

サンダース「わしはそのたびに涙が出るんだ。うぐう」

バイデン「電池換えろよ」

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推理

オバマ「あのさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「わからないことがあるんだ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「あのさ」

オバマ「おまえ『サンゲリア』知ってるか?」

ヤツェニュク「ええ」

オバマ「オレはサンゲリアという言葉がどこから来たのか知りたいんだ」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「ただ映画を見ているうちになんとなく自分なりにわかってきたことがあるんだ」

オバマ「サンゲリアと命名した人は」

オバマ「たぶん、マイケル・ベリーマンの顔を見て命名したんじゃないか、と」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「『オレがこの人にアダナ付けるならサンゲリアだな』と」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「『サンゲリアしかないな!』と」

オバマ「そういう流れがあったんじゃないかと」

ヤツェニュク「ほお」

ヤツェニュク「つまり勘だ、ということですか」

オバマ「そうなんだ」

オバマ「センス一発勝負というやつだ」

オバマ「あ」

オバマ「すまん間違えた」

オバマ「『サンゲリア』じゃなくて『サランドラ』だった」

ヤツェニュク「・・・・」

ヤツェニュク「何でドヤ顔なんですか?」

オバマ「あ、そういえばオレ」

オバマ「『サスペリア2』借りようとして間違えて『サンゲリア2』借りたことがあるんだ」

ヤツェニュク「またドヤ顔ですね」

ヤツェニュク「あ、でもぼく」

ヤツェニュク「それわかります」

オバマ「え?」

オバマ「分かるの?」

ヤツェニュク「ぼくの場合、『サンゲリア2』借りようとして間違えて『サランドラ2』借りたことがあるんです」

オバマ「何だと?」

オバマ「・・・・」

オバマ「オレなんかな、オレなんかな」

オバマ「ブルース・リのビデオ借りようとして間違えてブルース・リーのビデオ借りたからな」

ヤツェニュク「えっ?」

ヤツェニュク「ブルース・リーのビデオ借りようとして間違えてブルース・リのビデオを借りることはよくあると思いますけど、普通その逆は絶対ないでしょう」

ヤツェニュク「・・・・さすがです」

オバマ「勝った・・・・」

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特許請願

サンダース「バイデンさん」

バイデン「何かねサンダースさん」

サンダース「ちょっと納得できないことがあるんだ」

バイデン「そうなのか」

バイデン「きみはいったい何が納得できないのかね」

サンダース「ウォークマンのことなんだ」

バイデン「ほお」

サンダース「ウォークマンがあるなら」

バイデン「うむ」

サンダース「ウォークウーマンやウォークチャイルドがあってしかるべきではないか、と」

バイデン「ふむ、しかし、それならそれで既存のウォークマンと差別化しなきゃいけないだろう」

バイデン「そこはどうするつもりなんだ?」

サンダース「うむ、ウォークウーマンは」

サンダース「柔らかいんだ」

バイデン「柔らかいウォークマンなんていらねえよ」

サンダース「いや、寂しい人が揉めるように」

バイデン「は?」

バイデン「そんなもん人前で使えねえだろ」

バイデン「じゃあウォークチルドレンはどう差別化するつもりなんだ?」

サンダース「うむ、ウォークチルドレンは」

サンダース「生意気なんだ」

バイデン「いらねえよ」

バイデン「反抗するウォークマンなんていらねえよ」

バイデン「扱い方わかんねえだろ」

バイデン「じゃあウォークベイビーはどうするんだ?」

サンダース「うむ、ウォークベイビーは」

サンダース「うんこをもらすんだ」

バイデン「絶対いらねえよ」

バイデン「どうやってウォークマンがうんこもらすんだよ?」

バイデン「わざわざそんな機能つけるのか?」

バイデン「というか」

バイデン「そんな機能つけたら既存のウォークマンの機能は全部無くさないといけない気がするんだが」

バイデン「何のためのウォークマンだ?」

サンダース「で、ウォーク老人は」

バイデン「もういい、もうやめてくれ」

バイデン「ていうか、何で老人だけ日本語なんだよ?」

サンダース「ウォーク老人は」

バイデン「続ける気か・・・・」

サンダース「あ、歩けないから・・・・」

バイデン「うむ」

バイデン「・・・・歩けないから?」

サンダース「歩けないから」

サンダース「無いんだ。うぐう」

バイデン「なるほどな」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

子供の夢

オバマ「おまえさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「おしり探偵知ってるか?」

ヤツェニュク「いえ」

ヤツェニュク「おさわり探偵なめこなら知ってますが」

オバマ「おさわり探偵なめこ?」

オバマ「いいか」

オバマ「おしり探偵のキャラはみんなかわいい動物なんだ」

オバマ「だがなぜか・・・・」

オバマ「おしり探偵だけ妖怪なんだ」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「オレはこれが理解できないんだ」

ヤツェニュク「人間じゃないんですか?」

オバマ「人間なわけないだろ」

オバマ「いいか」

オバマ「おしり探偵は」

オバマ「口がケツなんだ」

オバマ「鋭い子供は、なぜ食事シーンがないのかと親に問うことだろう」

オバマ「その時、子供たちにどう答えたらいい?」

ヤツェニュク「いやあ」

ヤツェニュク「難しい問いですね」

ヤツェニュク「ただ言えることは・・・・」

ヤツェニュク「おしり探偵の食事シーンは放送禁止必至ということでしょうか」

オバマ「いや・・・・」

オバマ「食事シーンは流れたことがあるんだ・・・・」

ヤツェニュク「マジですか??」

オバマ「さてと」

オバマ「これからおしり探偵の予約録画しなきゃ」

ヤツェニュク「大ファンじゃないですか」

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落胆

サンダース「はあ・・・・」

バイデン「む、どうしたんだねサンダースさん。そんな深いため息なんかついて」

サンダース「わしは今悲しいんだ」

バイデン「ほお、いったい何があったんだね」

サンダース「聴いてくれるのか」

バイデン「もちろんだとも」

サンダース「いや」

サンダース「わしは嘉門達夫のCDをアマゾンで探していたんだ」

バイデン「きみはピーター・ガブリエルも聴くが嘉門達夫も聴くのか」

サンダース「そうなんだ」

サンダース「で」

サンダース「わしは嘉門のデビュー作の『お調子ものでいこう』を探していたんだが」

サンダース「なんと」

サンダース「これを10万円で出品している人がいたんだ」

バイデン「ほお」

サンダース「わしも最初は驚いたんだが」

サンダース「あとで事情が飲み込めた。その結果、底なしの悲しみに襲われた次第だ」

バイデン「どういうことだ?」

サンダース「うむ」

サンダース「わしは出品者の評価欄を見たんだ。すると、そこには『この出品者からはもう買いません』『みなさんもこの人から買うのは辞めたほうが懸命です』などの悪い評価が乱舞していたんだ」

サンダース「つまり・・・・」

サンダース「あのCDを10万円で出品したのは出品者の無言の怒りだったんだ・・・・」

サンダース「誰だかわからんやつらに」

サンダース「集団で・・・・」

サンダース「ネットで叩かれて追い詰められた男の・・・・」

サンダース「窮鼠ネコを噛むなんだ」

バイデン「なるほど」

バイデン「もうおまえらなんかいいよ!ふん!みたいなことか」

サンダース「そう」

サンダース「ちょっと簡単すぎるが、まあそんなところだ」

サンダース「人には認識能力の限界というものがある。これにはもちろん個人差というものがあるが、その限界を超えたから、彼は自暴自棄になったんだ」

サンダース「わしはそこにいつの世も替わらぬ人間模様を見た。そして人生の無常に打ちひしがれたんだ」

バイデン「そうか」

バイデン「そうだったのか・・・・」

バイデン「あのう看護師さん」

バイデン「昼飯はまだかね?」

サンダース「もしもし?」

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朝のひとこま

オバマ「おい」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「おれさ、先日」

オバマ「この世で一番気まずい画(え)を目撃したんだ」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「おれはいつも川原の土手の散歩道を自転車で走るんだ」

オバマ「そのとき、いつも後ろ向きでウォーキングしているおばあさんがいるんだ」

ヤツェニュク「ええ」

オバマ「で」

オバマ「そのおばあさんがいつものように後ろ向きで土手をウォーキングしていたと思いねえ」

オバマ「その日は、なんと」

オバマ「おばあさんの背後を歩いている通勤途中のサラリーマンがいたんだ」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「おばあさんとサラリーマンの距離は15mくらいだ」

オバマ「見ず知らずのふたりが長い時間、向かい合う状況ができあがってるんだ」

オバマ「おれがもしこのサラリーマンの立場だったら・・・・」

オバマ「『前見て歩けばばあ!』」

オバマ「と、おばあさんにキレていたかもしれぬ・・・・」

オバマ「しかし、奇跡が起きた」

オバマ「2人はお互いに気づいていないようだった」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「この2人は今、いったい何を考えてるんだろう?」

オバマ「好奇心を刺激されたおれは2人の内面の動きを推察してみた」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「サラリーマンは伏し目がちにとぼとぼ歩きながら『ああ、誰かに見られてる気がする』『何でだろう?』『いったい誰に見られてるんだろう』『ひょっとして』『オレ疲れてるのかな』『鬱病??』『今日はもう休もうかな・・・・』『嗚呼・・・・』と悩んでいる」

オバマ「一方、後ろ向きで歩いているおばあさんは『ゴールはまだかな~♪』『まだかなまだかな~、ゴールのおばさんまだかな~♪』と頭の中で歌っている」

ヤツェニュク「ほお」

オバマ「2人とも」

オバマ「全然前を向いていないんだ」

ヤツェニュク「ほほお」

オバマ「おまえ全然興味ないだろ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

発見者

オバマ「あのさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「この前散歩してたんだよ」

ヤツェニュク「ええ」

オバマ「その時は暗くて狭い路地を散策していたんだが」

オバマ「視界のすみに大きな、動くものがあったんだ」

オバマ「オレは思わずスザっ!と身構えた」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「そしたらネコだったんだ」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「ただ」

オバマ「びっくりしたオレを見てネコもびっくりしていたんだ」

オバマ「ネコはすぐに舌をぺろぺろしながら自身の緊張を和らげていた」

オバマ「因みにオレは」

オバマ「びっくりしたネコを初めて見たんだが」

オバマ「これが人間同士なら『おい!おまえびっくりしすぎ!』『いやいや!おまえもだろ!』というやり取りがあるだろ?」

オバマ「でも」

オバマ「・・・・おれたちの間をただただきまずい空気が流れたんだ」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「で」

オバマ「ネコは目を細めながら『あ、いや、ぼくならだいじょうぶですよ。気にしないでください』と言ってる気がしてなあ」

オバマ「ネコに気を使わせて、申しわけなくてさ・・・・」

ヤツェニュク「ほお」

オバマ「ただ発見したことがあるんだ」

オバマ「『びっくりする』と、いうこと」

オバマ「これは」

オバマ「音楽は国境を越える、どころのはなしじゃない!」

オバマ「もっと大規模な、種(しゅ)を超えた哺乳類共通の身体言語なんだ!」

オバマ「俺はこれを発見して非常に感動した」

オバマ「わなわなと身体が震えた」

オバマ「おまえはどう思う?」

ヤツェニュク「ほほお」

オバマ「おまえぜんぜん興味ないだろ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

シリーズ「人生」

サンダース「ふう」

バイデン「む、どうしたんだねサンダースさん」

サンダース「いや」

サンダース「わしは今ブルーなんだ」

バイデン「そうなのか」

バイデン「いったいどうしたんだ?」

サンダース「聞いてくれるのかい」

バイデン「もちろん聞くさ」

バイデン「わたくしが今まで君の話を聞かなかったことがあるかい?」

バイデン「何があったんだい?」

サンダース「わしはアマゾンで好きな漫画のレビューを見るのが好きなんだ」

サンダース「で」

サンダース「レビューを書いた人たちがみんなでその漫画を褒めてるとこっちも嬉しくなるのさ」

サンダース「その時、わしが見ていた漫画のページは全員が好意的だった。しかもみんなが褒めちぎっていたんだ」

サンダース「だが」

サンダース「ひとりだけタイトルがおかしかったんだ」

サンダース「その人のタイトルは」

サンダース「『おもいしろい』」

サンダース「だったんだ」

サンダース「何でそこで誤字なんだ!と」

サンダース「ひらがな間違えんなよ!」

サンダース「ほんとはおもしろくないのに無理してるんじゃないか?」

サンダース「だから誤字なんじゃないか?と」

サンダース「しかもニックネームを見たら」

サンダース「『Kindleのお客様』」

サンダース「だったんだ」

サンダース「いいかげんにしろよ!と」

サンダース「ほとんど匿名だろ!」

サンダース「やる気あるのか?」

サンダース「おまえはいったい誰なんだ?!と」

サンダース「そこまで考えたら」

バイデン(就寝中)

サンダース「・・・・」

サンダース(自分の上着をバイデンの背中にそっと掛け、立ち去る)

バイデン「寝言(あしたはきっと・・・・)」

バイデン「(いいことがるさ・・・・)」

サンダース(走って戻ってくる)

サンダース「寝言で噛むなよ」

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思い出

記者「二階さん」

二階「うむ。何かね」

記者「二階さんは過去になにか奇妙な体験をされたことがおありですか?」

二階「そうだな」

二階「ひとつだけあるよ」

記者「はい」

二階「わたくしが毎日テトリスをやってた頃の話だが」

二階「目を閉じると」

二階「図形がどんどん上から落ちて来るんだ」

記者「残像でしょうか」

二階「でもコントローラがないからどうすることもできない」

二階「何も出来ずにただ図形が落ちてきて山になっていくのを見ていることほど恐ろしいことはないよ」

二階「それでしばらくのあいだ、わたくしは目を閉じるのが怖かったくらいだ」

記者「・・・・」

二階「・・・・」

稲田「あの」

稲田「わたくしも、それ」

稲田「分かります」

記者「えっ?わかるの?」

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幻聴

記者「根本さん」

根本「うむ」

記者「根本さんは最近何か驚いたこととかありましたか?」

根元「あったね」

記者「そうなんですか」

根本「ぼくはビートルズのベストを聴いていたんだ」

根本「そしたらイエスタデイが」

根本「痩せたで~」

根元「に聞こえたんだ」

記者「はあ」

根本「それ以来、イエスタデイを聞くと痩せたで~としか聞こえなくてさ」

根本「ぜんぜん感動できなくなったんだ」

根本「それでポールに怒りさえ感じるようになったんだ」

根本「何でそこで関西弁なんだよ?と」

記者「・・・・」

根本「何とかしろよ」

記者「えっ?」

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シリーズ「人生」

記者「二階さん」

二階「うむ」

記者「質問があるのですが」

二階「何かね」

記者「最近、年をとったな~と感じることとか何かありましたか?」

二階「そりゃあるよきみ」

二階「なにせこの年齢だからね」

記者「特にどういった時にそうお感じになりましたか?」

二階「うむ、そうだな」

二階「中島くんの声が変わったことに気づいた時かな」

記者「え、中島くんの声って変わったんですか?」

二階「何だ、きみは。気づかなかったのかね?」

二階「よしんば、かおりちゃんやもうひとりの人の声が変わったことに気づかないなら仕方ない」

記者「早川さんのことですか?」

二階「だがね、きみ!」

二階「中島くんの声が変わったことに気づかないようでは日本人とは言えんな!」

二階「しっかりしたまえよ!」

記者「は、もうしわけありません・・・・」

二階「50年もの間、毎週毎週きみはいったい何を見ていたんだね?」

二階「ふん、日本のマスコミ陣も所詮この程度か」

記者「まことに恐縮至極であります」

記者「ただ」

記者「花沢さんの声が変わったことはすぐにわかったんですが」

二階「え?」

二階「花沢さんの声変わったの?」

記者「いや」

記者「あの人いちばんわかりやすいだろ」

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野望

根本「あのさ」

記者「はい」

根本「ぼくは世の中を変えたいと思っているんだ」

記者「そうなんですか」

記者「どのように世の中を変えられたいのでしょう」

根本「ゲームの勝ち負けを無くしたいんだ」

記者「はあ」

根本「ぼくはパソコンでオセロやブロック崩しとかをやるんだが」

根本「だが、いつも思うんだ」

根本「なぜぼくが負けるのか、と」

記者「はあ」

根本「どんなに難しいゲームでも、勝ったからって社長になれるわけじゃないだろ」

根本「人生、何も変わるわけじゃない」

根本「負けたら負けたでストレスが溜まるだけだ」

根本「生きているだけで充分ストレスフルにも拘らず、なぜわざわざ更にストレスが溜まるものを作るヤツがいるんだ?」

記者「・・・・」

根本「ゲームに負けたときの精神状態は友人や家族の絆を破壊する要因ナンバーワンだと思うんだ」

根本「だから負けないゲームを作ればいいんだ」

根本「必ず勝つゲームを作ればいいんだ」

根本「なぜゲーム会社はそういうのを作ろうとしないんだ?」

根本「絶対売れるだろ」

記者「・・・・」

根本「何とかしろよ」

記者「えっ?」

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打ち合わせ

オバマ「おい」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「おれさ、ギャグ考えたんだ」

ヤツェニュク「そうなんですか」

オバマ「文化か!」

オバマ「って、つっこむんだ」

ヤツェニュク「ほお」

ヤツェニュク「ボケはないんですか?」

オバマ「じつはまだ考えていないんだ」

オバマ「一緒に考えてくれないか」

ヤツェニュク「もちろん、ぼくで良ければ協力いたします」

(1時間経過)

オバマ(考えている)

ヤツェニュク(考えている)

(1時間経過)

オバマ(一生懸命考えている)

ヤツェニュク(トイレに立つ)

(30分経過)

ヤツェニュク(途中、館内で缶ジュースを買う)

(1時間経過)

ヤツェニュク(外にいることに気づく)

ヤツェニュク(帰宅する)

(18時間経過)

ヤツェニュク(戻ってくる)

オバマ「どうだ?」

オバマ「何か良い案は浮かんだか?」

ヤツェニュク「あのう」

オバマ「何だ?」

ヤツェニュク「一旦帰宅してもよろしいでしょうか?」

ヤツェニュク「家なら良い案が浮かぶと思うんです」

オバマ「おまえぜんぜん興味ないだろ」

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自由

オバマ「あのさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「おれ、先日」

オバマ「自由なやつを見たんだ」

ヤツェニュク「そうなんですか」

オバマ「ほんとに自由なんだ」

ヤツェニュク「へえ」

オバマ「あっち行ったりこっち行ったり」

オバマ「スーパーの中を走り回っているんだ」

ヤツェニュク「え?」

ヤツェニュク「ちょっと待ってください」

ヤツェニュク「その自由な人って何歳なんですか?」

オバマ「うむ」

オバマ「4歳くらいかな」

ヤツェニュク「ほほお」

ヤツェニュク「それを自由と呼べるかどうかは判断が難しいところですが」

ヤツェニュク「そういう自由なら」

ヤツェニュク「ぼくは」

ヤツェニュク「もっと自由なやつを見たことがあります」

オバマ「なんだと?」

ヤツェニュク「広島のコンビニでした」

オバマ「どんなやつだ?」

オバマ「それはどんなやつなんだ?」

ヤツェニュク「でかいわめき声が聞こえるので何事かと思ったんですが」

ヤツェニュク「その自由なやつは」

ヤツェニュク「床の上に寝そべって駄々をこねていました」

オバマ「そうか」

オバマ「その自由な人は何歳くらいだ?」

ヤツェニュク「3歳くらいでしょうか」

オバマ「うむ」

オバマ「自由だな」

ヤツェニュク「(ほんとかな・・・・)」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

続き

ヤツェニュク「例えば・・・・」

ヤツェニュク「もし60歳くらいの人が駄々をこねていたとします」

ヤツェニュク「その人も自由な人なんですか?」

オバマ「ばかいえ」

オバマ「そんなやつが自由な人のわけない」

オバマ「単にアブないやつだ」

ヤツェニュク「え?」

ヤツェニュク「ぼくにはどちらも迷惑行為にしか思えないのですが」

ヤツェニュク「両者の相違点を指摘していただかないと納得できません」

オバマ「あのさ」

オバマ「オレ」

オバマ「このまえすごい悲しいものを見たんだ」

ヤツェニュク「話をはぐらかさないでください!」

オバマ「アマゾンマーケットプレイスの出品者の評価なんだが」

オバマ「『このCDは家にありました。だから星は2個にさせていただきます』」

オバマ「と、書かれてあったんだ」

ヤツェニュク「そんなバカな!」

ヤツェニュク「それ、ぜんぜん意味が分からないですよ」

オバマ「だろ?」

オバマ「当人じゃなくても何か悲しくなるだろ?」

ヤツェニュク「ほんとですね」

ヤツェニュク「いや」

ヤツェニュク「こいつすごいいやなやつですよ。信じられない・・・・」

ヤツェニュク「ワザとやってるとしか思えないですよ!」

ヤツェニュク「あれ・・・・」

ヤツェニュク「ちょっと待ってください」

ヤツェニュク「このレビュー」

オバマ「・・・・」

ヤツェニュク「ぼくが書きました」

オバマ「おまえ自由だな」

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