簡素

オバマ「このまえさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「シンプルなやつを見たんだ」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「感情があからさまに出てるんだ」

オバマ「やることなすこと何もかもシンプルで」

オバマ「例えしっぽがなくても感情の機微が手に取るようにわかるくらいさ」

ヤツェニュク「え?」

ヤツェニュク「ちょっと待ってください」

ヤツェニュク「シンプルなやつって・・・・」

ヤツェニュク「人間じゃないんですか?」

オバマ「うむ」

オバマ「犬だ」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「進化論によれば人間の方が優れていて犬はヒトより劣っていることになっているだろ」

オバマ「違うんだ」

オバマ「犬はシンプルなだけなんだ」

オバマ「犬は心でできていると言っても過言ではない」

オバマ「心の固まりだ!」

オバマ「心に毛が生えたら犬になるんだ!」

ヤツェニュク「・・・・はあ」

オバマ「犬は例えれば通話機能しかない携帯だ」

オバマ「で、人間はいろんなアプリが入って写真や映像も撮れるスマホなんだ」

ヤツェニュク「ほお」

オバマ「複雑より簡潔な方が」

オバマ「その方が良い場合もあるんだ」

オバマ「オレはこれを声を大にして言いたい!」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「で」

オバマ「オレも」

オバマ「もっと」

オバマ「もっともっと」

オバマ「シンプルになりたくてさ」

ヤツェニュク「ほほお」

オバマ「いや」

オバマ「おまえぜんぜん興味ないだろ」

ヤツェニュク「ていうか」

ヤツェニュク「それはつまり」

ヤツェニュク「犬になりたいということですか?」

オバマ「違うわ」

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陰謀

根本「おまえらおれの『ガリガリくん』溶かそうとしてるだろ!」

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五里霧中

記者「二階さん」

二階「うむ」

記者「何か今までオカルト的な体験とかしたことはおありですか?」

二階「あるね」

記者「どういったご体験だったのか、詳細を述べていただけますでしょうか?」

二階「もちろんだ」

二階「ある朝、わたくしは田園地帯を散歩していたんだが」

二階「突然ものすごい濃い霧に覆われたんだ」

二階「東の方から広がり始めた霧は、数分であっという間に田園地帯や街を飲み込んだのさ」

記者「はい」

二階「きみ!」

記者「はい!」

二階「ほんとに何かもまっしろなんだよ」

二階「あんな体験は後にも先にも一度だけだろうな・・・・」

記者「なるほど」

二階「見慣れた景色がまったくの白紙に戻されたような感じなんだ」

記者「それが先生が体験なされたオカルト的な体験というわけですね」

二階「違う」

記者「え?」

二階「ほら、霧のせいで何もかも真っ白なわけだよ」

二階「するとどうなると思う?」

記者「いや、わたくしにはわかりかねますが」

二階「飛蚊症がはっきり見えるんだ」

記者「はあ」

二階「あれはすごかった」

二階「わたくしは重症の飛蚊症だったのかと落胆したくらいだ」

稲田「オカルトの新分野誕生、ですね」

記者「いや、医療の新分野だろ」

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アメーバ

オバマ「あのさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「あるアイドルの子がいいこと言ってたんだ」

ヤツェニュク「そうなんですか」

オバマ「で、すぐにパクりたくなったんだ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「その子は」

オバマ「『あ、アメーバがいる』って言ったんだ」

ヤツェニュク「いや」

ヤツェニュク「状況を説明していただかないとちょっと把握が難しいのですが」

オバマ「む、すまん」

オバマ「あの時は箱に何が入っているか手を箱に入れて当てるゲームをしていたんだが」

オバマ「答えはしらたきか何かだったんだ」

ヤツェニュク「なるほど」

オバマ「あまりにいい言葉だからオレ、これ、どこかで使いたいんだけどさ」

オバマ「どこで使ったらいいのかぜんぜんわからないんだ」

オバマ「おまえならどこで使う?」

ヤツェニュク「そうですね・・・・」

ヤツェニュク「例えば」

ヤツェニュク「水道の水をコップに汲んだ時とかどうですか?」

オバマ「そうかコップに水汲んで『あ、アメーバがいる』」

オバマ「どんな水だよ!」

オバマ「アメーバが見える水なんか飲めるわけねえだろ」

ヤツェニュク「いや、案外飲むゼリーみたいな感じじゃないですか」

オバマ「え?アメーバってノド越しいいのか?」

ヤツェニュク「知りません」

オバマ「・・・・」

ヤツェニュク「それなら、ラーメン食べてる時はどうですか?」

オバマ「なるほどな」

オバマ「ラーメン食べてる時に『あ、アメーバがいる!』」

オバマ「いや」

オバマ「つえーな、そいつ」

オバマ「熱に負けないアメーバ、見つかる」

オバマ「何か怪獣映画のプロローグにありそうだな」

ヤツェニュク「あとはそうですね」

ヤツェニュク「雨が降った時なんかどうでしょうか?」

オバマ「うむ」

オバマ「いいねそれ」

オバマ「雨が降ってきた時に『あ、アメーバがいる』」

オバマ「征服されてんじゃねえか」

オバマ「地球とっくにアメーバに征服されてんじゃねえか」

オバマ「怪獣映画もいよいよ終盤だろ」

オバマ「おい、誰かゴジラ呼んでこい」

ヤツェニュク「まあ、結局」

ヤツェニュク「なかなか普段は使えない言葉だということですよ」

オバマ「そうか残念だな」

オバマ「封印するしかないか・・・・」

ヤツェニュク「ほんとにそう思ってますか?」

ヤツェニュク「そう言いながらどっかで使おうと思ってるんじゃないですか?」

オバマ「・・・・」

オバマ「金魚鉢覗いて『あ、アメーバがいる』はどうかな?」

ヤツェニュク「それ普通でしょ」

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転職

オバマ「あのさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「すごく気になることがあるんだ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「NHK教育にとある番組があるんだが」

オバマ「演者の背後のベンチに座っているぬいぐるみがいつも2体いるんだ」

オバマ「ずっと座ったままなんだ」

オバマ「あまりにも動かないから、最初はオブジェかと思ったくらいだ」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「あの人たちの時給いくらだろ?」

ヤツェニュク「さあ・・・・」

オバマ「ぬいぐるみに入ってるだけで生活できてるのか心配でさ」

ヤツェニュク「いや、たぶん」

ヤツェニュク「番組スタッフの人がぬいぐるみに入ってるんじゃないですかね・・・・」

オバマ「えっ?」

オバマ「楽そうだからオレもやりたいなと思ったんだが・・・・」

ヤツェニュク「NHK教育が、ぬいぐるみの人募集みたいな求人はしないと思いますが」

オバマ「何だと?」

オバマ「夢壊すなよな!」

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シリーズ「人生」

バイデン(昼食中)

サンダース(昼食中)

サンダース「バイデンさん」

バイデン「何かねサンダースさん」

サンダース「きみはカラスは好きかね?」

バイデン「いや、わたくしは別に好きでも嫌いでもないが」

バイデン「カラスがどうかしたのか?」

サンダース「うむ、先日」

サンダース「カラスにナメられたんだ」

バイデン(箸をおく)

バイデン「いったいどういうことなんだ?」

バイデン「わたくしでよければ力になるんだが」

サンダース「わしは散歩中、川原の土手に続く細い坂道をとぼとぼとあがっていたんだが」

サンダース「木に停まっていたカラスたちが急にギャアギャア騒ぎ始めたんだ」

サンダース「わしは驚いた」

サンダース「と、同時に不愉快になった」

サンダース「いったいわしが何をしたというんだ?と」

サンダース「だがよくみたら、道の上に腐った死骸があったんだ」

バイデン「どういうことなのかね」

サンダース「カラスはわしがあの死骸を奪おうとしてると思ったんだ!」

サンダース「誰がそんなもん拾うか!」

サンダース「わしはイタチか?」

バイデン「そうか・・・・」

サンダース「わしはカラスにナメられたことがショックで、がっくりと肩を落としたまま帰途に着いた」

サンダース「しばらくの間、まさに自分自身を見失ってしまった状態だった」

サンダース「老いとはこういうことなのか?と」

サンダース「精神衛生上悪い暗いことばかり考えてしまってな・・・・」

バイデン「そうか」

バイデン「そういうことだったのか」

サンダース「そうなんだ」

サンダース「でも、聞いてくれてありがとう」

サンダース「おかげで発散できた」

サンダース「わしを包み込んでいた重いもやが晴れたようだ」

サンダース「バイデンさんのおかげだ!」

サンダース「なんだか体中に力が漲るようだ!」

サンダース「はっはっはっはっは」

バイデン「あのう看護師さん」

バイデン「昼飯はまだですか?」

サンダース「もしもし?」

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パンダ

オバマ「あのさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「何かおもしろいことないか?」

ヤツェニュク「そうですね」

ヤツェニュク「たまにやるパンダの赤ちゃんのニュースなんかおもしろいですよ」

オバマ「ああ、知ってる知ってる」

オバマ「赤ちゃんが2匹でいつも横たわってるんだろ」

オバマ「かすかに動くこともあるんだが」

オバマ「たいていはじっとしている」

オバマ「みんな『かわいい』『かわいい』って言うんだけどさ」

オバマ「あいつら動かないし白黒だからぱっと見、のり弁みたいだろ」

オバマ「こりゃ食えないな」

オバマ「といつも思うんだ」

ヤツェニュク「そりゃ食えないでしょ」

ヤツェニュク「そんなことよりも、です」

ヤツェニュク「もちろん気のせいだとは思うんですが」

ヤツェニュク「いつ見ても1匹の方が」

ヤツェニュク「気絶してるように見えるんですよ」

オバマ(険しい顔)

オバマ「気絶したパンダ・・・・」

ヤツェニュク(恐る恐る)

オバマ「がはははははははは」

ヤツェニュク「いやいや」

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評価

ヤツェニュク「あのう」

ヤツェニュク「納得が行かないことがあるんですが」

ヤツェニュク「聞いていただけますか?」

オバマ「む、何だ?」

オバマ「おまえから何か切り出すなんて珍しいな」

ヤツェニュク「先月アマゾンマーケットプレイスで出品者の評価をしたんですが」

ヤツェニュク「昨日、ぼくが書いた評価探したらどこにもないんですよ」

オバマ「マーケットプレイスで書いた評価を改めて見るのは珍しいじゃないか」

ヤツェニュク「おもしろいこと書いたのでもう一度見たくなったんです」

オバマ「そうか」

ヤツェニュク「どこにもなかったので削除されたのかもしれません」

ヤツェニュク「探しがてら、その出品者に対する他の人からの評価を見ていたんですが」

ヤツェニュク「やっぱりひどいんですよ」

ヤツェニュク「みんな、発送が遅いということに言及しているんです」

ヤツェニュク「そんなだらしない出品者なのにぼくの評価だけ消すなんて信じられません」

ヤツェニュク「ひどくないですか?」

オバマ「なるほどな、で」

オバマ「おまえは何て書いたんだ?」

ヤツェニュク「ええ」

ヤツェニュク「孤独死してるんじゃないかと心配しております。もしもし~生きてますか~?わら」

ヤツェニュク「と書いたんですが」

ヤツェニュク「すごいユーモラスじゃないですか」

ヤツェニュク「絶対他のユーザーにもウケると思うんですよ」

ヤツェニュク「なんで削除されたのか理解できません」

オバマ「おまえが悪い」

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問い

記者「小泉元首相、今日はなぜわたくしたちをお集めになったのでしょうか?」

小泉「ちょっとみんなに聞きたいことがあるんだ」

記者「はい」

小泉「みんなも日本人なんだから、このことについて一度や二度は想いを巡らせたことがあるはずだ」

小泉「でなければ日本人とは言えないくらい重要なことだ」

小泉「なにしろ、わたくしが知りたいのは誰でも知っている人物のことについてなんだから」

記者「はい」

小泉「バカボンのパパのことだ」

小泉「バカボンのパパの遺伝子ってさ」

小泉「強そうだと思わないか?」

記者「えっ」

小泉「それなのにさ、はじめちゃんが生まれただろ」

小泉「ということはさ」

小泉「バカボンのパパの遺伝子はあの時、負けたんだ」

小泉「バカボンのパパの遺伝子が勝っていたらもうひとりバカボンみたいなのが生まれていたはずなんだ!」

小泉「天上の意志によってそれが阻止されたんだ!」

記者「ええ」

小泉「わたくしはそれが信じられないんだ」

小泉「バカボンのパパの遺伝子が負けたことが信じられないんだ」

小泉「わたくしは、自分の遺伝子とバカボンのパパの遺伝子を戦わせたなら絶対に敗北は免れ得ないと考えている」

記者「どうやって戦わせるんですか?」

小泉「信じたくないんだ!」

小泉「とにもかくにも信じたくないんだ!」

小泉「絶対に信じたくないんだ!」

小泉「きみらはわたくしのこの問いについてどう思っている?」

記者「はあ」

小泉「・・・・」

記者「・・・・」

記者「その設問はとても・・・・」

記者「新機軸だと思います」

細川「あのう」

細川「新機軸って何?」

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矛盾

根本「あのさ」

根本「高校の時にあまり親しくない同級生に手塚治虫の『ブッダ』を貸したんだ」

根本「そしたらそいつが気に入ったらしくてどんどん要求するから10巻まで貸したんだ」

根本「しかし」

根本「読み終わった『ブッダ』そろそろ返してくれと言ったら、ぜんぜん返してくれないんだ」

記者「それはひどいですね」

根本「ぼくはこのとき非常な矛盾を感じた」

根本「矛盾以外のなにものでもない矛盾だ」

根本「矛盾の語源を目の当たりにしたような感じだ」

記者「はあ」

根本「『ブッダ』を好きなやつが本を返さない」

根本「おまえはいったいブッダのどこを好きになったんだ?と」

根本「ブッダが何か、かっぱらったか?」

根本「ブッダは盗賊か??」

根本「ブッダが好きなのに正反対のことしてるんだ!」

根本「ブッダが好きなのに何も学んでない!」

根本「まったく驚いたね」

根本「きみもそう思うだろ」

記者「ええ」

記者「で」

貴社「その人はその後どうなったのでしょうか?」

根本「うむ、やつは程なくして」

根本「退学した」

記者「なるほど」

記者「てことは・・・・」

記者「特に矛盾してないじゃないですか」

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命名

オバマ「あのさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「バカボンのパパに名前をつけてあげないか」

ヤツェニュク「名案です」

ヤツェニュク「是非お手伝いさせてください」

オバマ「よし、まずは」

オバマ「すずきてつやなんかどうだ?」

ヤツェニュク「ちょっとイメージしてみていいですか」

ヤツェニュク(わしはすずきてつやな~の~だ)

ヤツェニュク「しっくりこないですね」

ヤツェニュク「それではこれはどうですか?」

ヤツェニュク「いしだかつひろ」

オバマ「よし、ちょっとイメージさせてくれ」

オバマ(わしはいしだかつひろな~の~だ)

オバマ「はまらないな」

オバマ「じゃあこれならどうだ?」

オバマ「はらだひろお」

ヤツェニュク「ではイメージします」

ヤツェニュク(わしは、はらだひろおな~の~だ)

ヤツェニュク「これはいただけません」

ヤツェニュク「これならどうでしょうか」

ヤツェニュク「みやざわもとき」

オバマ「うむ、イメージするぞ」

オバマ(わしはみやざわもときな~の~だ)

オバマ「う~む」

オバマ「もうやめないか」

ヤツェニュク「はい」

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ガリガリ君

サンダース「バイデンさん」

バイデン「何かねサンダースさん」

サンダース「わしはよくスーパーで近所のおばあさんに会うんだ」

バイデン「そうか」

サンダース「ただ、この人はおしゃべりが好きで捕まると1時間はスーパーで立ち話するハメになるんだ」

サンダース「で」

サンダース「その時、わしらの目の前に大きなガラス戸があったんだが」

サンダース「わしは驚いた」

サンダース「ガラスに映ったわしらはまるで漫才師みたいだったんだ」

バイデン「スーパーの出入り口で立ち話するなよ」

サンダース「何だか売れてない夫婦漫才コンビみたいでな・・・・」

サンダース「それが異様に恥ずかしくてな」

バイデン「そうか」

サンダース「バイデンさん、わしはもうスーパーで立ち話をしたくないんだ」

サンダース「どうしたらいいんだろう、うぐう」

バイデン「簡単なことだ」

サンダース「え?」

サンダース「わしはおばあさんを傷つけずに帰ることができるのか?」

バイデン「わたくしに任せろ」

サンダース「本当にそんなことが可能なのか?」

バイデン「当たり前だ」

サンダース「そうか」

サンダース「で、どうするんだ?」

バイデン「ガリガリくんだ」

サンダース「は?」

バイデン「ガリガリくんを買うんだよ」

バイデン「で」

バイデン「あらごめんなさい、ガリガリくんが溶けちゃうからもう帰らせていただくわ」

バイデン「これさ」

バイデン「で、もしおばあさんがそれでも尚、引き止めようとしたなら」

バイデン「てめえ!わしのガリガリくん溶かそうとしてんのか?!」

バイデン「これ一発で君を悩ませた難問は解決よ」

バイデン「どうだ?」

サンダース「きさま!」

バイデン「え?」

サンダース「そんなもん通用すると思ってるのか!」

バイデン「どうしたんだねサンダースさん」

バイデン「いったい何をそんなに激昂しているんだ」

バイデン「悪いこと言わないから試してみなさい」

バイデン「文句は試してから言うべきだろう」

サンダース「あのな」

サンダース「もう冬だ!」

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筆記用具

オバマ「あのさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「またギャグを作ったんだ」

ヤツェニュク「そうなんですか」

オバマ「てめえ神に守られてんのか?」

オバマ「て、つっこむんだ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「例えばさ、ブロック崩しやってて最後に残ったブロックが1個あるだろ」

オバマ「何回もスレスレでかするだけでぜんぜん当たらない時があるんだ」

オバマ「あの時にひらめいたんだ」

ヤツェニュク「なるほど」

オバマ「しかし、ボケはまだ考えていないんだ」

オバマ「一緒に考えてくれないか」

ヤツェニュク「もちろんです」

ヤツェニュク「ぜひお供させてください」

オバマ「よし、一緒にボケを考えるぞ!」

ヤツェニュク「はい!」

(1時間経過)

オバマ(考えてる)

ヤツェニュク(考えてる)

(1時間経過)

オバマ(一生懸命考えている)

ヤツェニュク(トイレに立つ)

(30分経過)

ヤツェニュク(公園のトイレにいることに気づく)

ヤツェニュク(帰宅する)

(2日経過)

ヤツェニュク(戻ってくる)

オバマ「どうだ、何か良い案を思いついたか?」

ヤツェニュク「あのう考えたんですが」

ヤツェニュク「自宅の方が良い案が浮かぶと思うんです」

ヤツェニュク「一旦帰宅してもよろしいでしょうか?」

オバマ「ちょっと待て」

オバマ「この前もそうだったじゃないか」

オバマ「この二日間どこにいた?」

ヤツェニュク「はい」

ヤツェニュク「自宅にいました」

オバマ「その時に何か思いついたのか?」

ヤツェニュク「当然じゃないですか!」

ヤツェニュク「自宅にいる時はほんとに調子が良いんですから!」

ヤツェニュク「ただ惜しむらくは忘れっぽいところでしょうか」

オバマ「ちゃんと書くもの用意しとけよ」

ヤツェニュク「すいません、ウチには書くもの何も無いんです」

オバマ「しようがない、今回は帰宅して良い」

オバマ「コンビニでちゃんと紙とペン買って帰れよ」

ヤツェニュク「ありがとうございます」

ヤツェニュク(帰宅する)

(4日経過)

ヤツェニュク(戻ってくる)

オバマ「どうだ、何か良い案は浮かんだか?」

ヤツェニュク「まことに申しわけありません」

ヤツェニュク「紙とペンを買うのを忘れました」

オバマ「おまえぜんぜん興味ないだろ」

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郷愁

記者「二階さん」

二階「うむ、何かね」

記者「最近、何か懐かしいと思ったことはありますか」

二階「あるね」

記者「どのようなことでしょうか」

二階「いや、先日」

二階「すごいつまらなそうに仕事してる警備員がいたんだ」

二階「車が来るとちゃんと誘導しているんだが」

二階「車が来ない時は心からつまらなそうにしているんだ」

二階「わたくしはそんな彼をみて懐かしいと思ったんだ」

記者「どういうことでしょうか」

二階「不思議なんだよ」

二階「なぜ懐かしいと思ったのか自分でもわからない」

二階「ただつまらなそうに立っていただけなんだ」

二階「休めの姿勢で首をうなだれたまま右足を前に出したり左足を前に出したりしていた」

記者「へえ、まるで」

記者「校長先生の話を聞いてるみたいですね」

二階「あっ」

二階「だからか」

記者「はい?」

二階「あれからもう60年余り経つが」

二階「まだ覚えているんだな」

二階「校長先生の話を聞くみんなのことを・・・・」

記者「校長先生の話は覚えていないんですか?」

稲田「あの、わたくしもそれ」

稲田「わかります」

二階「だろう?」

二階「君はどうだい?」

記者「はい」

記者「あのう」

記者「ぼくもわかります」

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シリーズ「人生」

バイデン「いやあ」

バイデン「寿命が縮むとはまさにあのことだな」

サンダース「どうかしたのかいバイデンさん」

バイデン「いやあサンダースさん」

バイデン「ほんとうに寿命が縮む思いをしたんだ」

サンダース「そうなのか」

サンダース「何があったんだい」

バイデン「ほんとに寿命が縮む思いをしたんだ」

サンダース「だから何があったんだい」

バイデン「ほんとにほんとうに寿命が縮む思いをしたんだ」

サンダース「(む、これは何かの症状だろうか?)」

サンダース「(とにかくなぜ寿命が縮んだかは聞かない方が良いだろうな・・・・)」

サンダース「(代わりにどのくらい寿命が縮んだか聞いてあげよう)」

看護師「みなさん、昼食の時間ですよ」

(昼食中)

バイデン「あのう看護師さん」

バイデン「昼飯は、まだかね」

サンダース(箸を置く)

サンダース「バイデンさん」

バイデン「うむ、何かね」

サンダース「さっきの話だが」

サンダース「どのくらい寿命が縮んだんだい?」

バイデン「うむ」

バイデン「1日くらいかな」

サンダース「そうか」

サンダース「それは大変な思いをしたね」

サンダース「いや、ちょっと待て」

サンダース「それ普通だろ」

サンダース「寿命が1日縮むというのはただの老化だ」

バイデン「それより」

バイデン「きみはなぜ寿命が縮んだか聞かないのかい」

サンダース「え?」

サンダース「あ、ああ」

サンダース「コホン」

サンダース「バイデンさん、いったい何があったんだい?」

バイデン「ほんとにほんとうに」

バイデン「ほんとうに寿命が縮む思いをしたんだ」

サンダース「あんたワザとやってないか?」

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問い

記者「小泉元首相、おはようございます」

小泉「みんなおはよう」

記者「今日はなぜわたくしたちをお集めになったのでしょうか」

小泉「うん」

小泉「ちょっとわからないことがあるんだ」

記者「そうなんですか」

小泉「うん」

小泉「わたくしがわからないほどだから」

小泉「ちょっときみたちには難しいかも知れん」

記者「はい」

小泉「なぜプリンにプリン体が入っていないのか」

小泉「きみにはわかるかね」

記者「はあ」

小泉「プリン体はプリンにこそ入っているべきではないのか」

小泉「わたくしはこう思うんだ」

小泉「なぜプリンにプリン体が入っていないのか?」

小泉「同じことを二回言ってしまったが」

小泉「わたくしはこの点を非常に理解しかねている」

小泉「なぜ南洋のイースター島で巨大なモアイが作られたのか?」

小泉「なぜ古代人はソールズベリーヒルにストーンヘンジを建設したのか?」

小泉「それと同じくらい分からない」

小泉「どうだろう、君たちの意見が聞きたい」

細川「良い問題提起だね」

小泉「みんなどうしたのかね」

小泉「その表情からするときみたちにはやはり難しかったかな」

小泉「だが、このわたくしの問いにまったく意見がないというのはマスコミの姿勢としてどうなのかね」

小泉「この問いに対して何らかの答えを出すべきではないのかね?」

小泉「それがマスコミの責務というものではないのかね?」

記者一同「いや」

記者一同「それマスコミと関係ないでしょ」

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思い出

オバマ「あのさ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「若い頃、親戚の結婚式が中野サンプラザであったんだ」

オバマ「そのときオレも招待されていたんだが」

オバマ「オレは中野サンプラザの場所が分からなかった」

オバマ「だから通りすがりの人に聞いたんだ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「しかし、予想だにしないことが起きた」

ヤツェニュク「そうなんですか」

オバマ「オレは間違えて」

オバマ「サンプラザ中野はどこですか?」

オバマ「って聞いてしまったんだ」

ヤツェニュク「ほほお」

ヤツェニュク「それは恥ずかしいですね」

オバマ「いや」

オバマ「別に恥ずかしくなかった」

ヤツェニュク「え?」

オバマ「聞いたのはおばあさんだったんだ」

オバマ「しかも、おばあさんはサンプラザ中野も中野サンプラザも知らなかったんだ」

ヤツェニュク「なるほど」

オバマ「ところが次の人にもサンプラザ中野はどこですか?って聞いてしまったんだ」

ヤツェニュク「今度こそ恥ずかしかったでしょう」

オバマ「いやぜんぜん恥ずかしくなかった」

ヤツェニュク「そうなんですか?」

オバマ「今度は外人のヒトに聞いたんだ」

オバマ「しかも、その人は日本語がぜんぜん分からなかったんだ」

ヤツェニュク「普通外人さんに道聞きますか?」

オバマ「そのまた次の人にもサンプラザ中野はどこですか?って聞いてしまったんだが、今度の人は若者だった」

ヤツェニュク「若者ならサンプラザ中野も中野サンプラザも知ってるはずです」

ヤツェニュク「今度こそ恥ずかしかったでしょう」

オバマ「ぜんぜん」

オバマ「その人は田舎から出てきてたんだ」

オバマ「だから、逆に知りたいって言われたんだ」

オバマ「しかし、オレは知らないから教えることが出来なかった・・・・」

ヤツェニュク「で」

ヤツェニュク「結局、中野サンプラザには辿り着いたんですか?」

オバマ「うむ、結局最後は最寄の交番で聞いたんだが」

オバマ「ところがオレはそのとき非常に驚いたんだ」

ヤツェニュク「どうしたんでしょうか」

オバマ「オレはそのときちゃんと中野サンプラザはどこですか?って聞いたんだが」

オバマ「何言ってんだきみは?」

オバマ「サンプラザ中野だろ」

オバマ「っておまわりさんに言われたんだ」

ヤツェニュク「はあ」

オバマ「ただおまわりさんは間違えてサンプラザ中野で覚えていたものの、ちゃんと中野サンプラザの場所は知っていたんだ」

ヤツェニュク「結果的には良かったというわけですね」

オバマ「うむ、ただ」

ヤツェニュク「はい」

オバマ「おまわりさんが急ぐオレを見ながら走る~走る~わか~も~の~って歌っていたんだ・・・・」

ヤツェニュク「あの」

ヤツェニュク「爆風スランプ知ってますか?」

オバマ「いや、知らないが」

オバマ「とにかく」

オバマ「あの意味が未だに分からないんだ」

ヤツェニュク「分からないでいいと思います」

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トラウマで禁煙しようよ

オバマ「あのさ」

オバマ「ずっと禁煙してるんだ」

ヤツェニュク「そうなんですか」

オバマ「中3の時からだ」

ヤツェニュク「知りませんでした」

ヤツェニュク「禁煙はなかなか難しいと聞きますが」

オバマ「いや」

オバマ「案外簡単だ」

ヤツェニュク「どうすればそんなに完璧に禁煙できるんでしょうか」

オバマ「うむ」

オバマ「中学3年のとき、オレは母校で番をはってたんだが」

オバマ「たくさんの後輩のみなにも慕われていた」

オバマ「で、その時からみんなでタバコを吸ってたんだが」

オバマ「ほら、よくあるだろ」

オバマ「タバコをくわえたら目下の者が火をつけてくれるやつ」

オバマ「あれが憧れでな」

オバマ「ある日、あれをしたくてみんなの前でタバコをくわえてみたんだ」

オバマ「だが、誰も火をつけてくれないんだ」

オバマ「いつまで待ってもただ時間だけがすぎてゆく・・・・」

オバマ「まわりのみんなはバカバカ吸ってんだ」

オバマ「で」

オバマ「仕方ないから、火もついてないのにオレはみんなと一緒に吸ってるふりをした」

オバマ「そのうえ談笑にまで参加した」

オバマ「あの日、オレは顔でこそ笑っていたが心の中では泣いていた」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「次の日も同じことをやってみたんだがやはり誰も気づいてくれない・・・・」

オバマ「だが」

オバマ「いいかげん火いつけろや!と怒ったらおれの負けだと思った」

オバマ「だからオレもつい意固地になって」

オバマ「誰かが気づくまでずっとくわえてたんだが」

オバマ「ついに誰も気づかなかったんだ」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「その次の日も同じことをしたんだ」

オバマ「ただ、次の日はみんなに気づいてもらえるように」

オバマ「タバコを12本全部くわえてみたんだ」

ヤツェニュク「ほお」

オバマ「それでも誰も気づかないんだ」

オバマ「普通そんなことあるか??」

オバマ「オレは番長なんだぞ!」

オバマ「あの時、オレは後輩全員に負けた気がしたんだ」

オバマ「オレに番長の資格はないんだ」

オバマ「で、オレはその時に番長をやめたんだが」

オバマ「タバコもやめたんだ・・・・」

ヤツェニュク「そりゃ吸わなくなりますよね」

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シリーズ「人生」

サンダース「バイデンさん」

バイデン「うむ」

サンダース「質問があるのだが」

サンダース「きみは見てはいけないものを見たことがあるかね」

バイデン「あるよ」

サンダース「そうなのかい」

サンダース「是非、詳細を伺いたいものだな」

バイデン「よかろう」

バイデン「去年、農道を散歩していたんだが仲が良い男子高校生を見たんだ」

バイデン「2人は並んで自転車に乗っていた」

バイデン「歩いているわたくしを後ろから追い抜いていったんだ」

バイデン「ああ、何だか懐かしい光景だな、と思いながら遠くなっていく2人の後姿を眺めていたんだが」

バイデン「だがあることに気づいたんだ」

サンダース「ふむ」

バイデン「片方の男子が切り替えを重くしていたんだ」

バイデン「6段変速でいうなら5くらいかな」

バイデン「で、片方は2くらいだった」

バイデン「これは見てはいけないものを見てしまったな、と思ったんだ」

サンダース「どういうことだ?」

バイデン「あれはあきらかに切り替え重くしてるやつの『オレの方が上だ』というアピールだ」

バイデン「オレの方が脚力が上だというアピールなんだ」

バイデン「どう考えてもそうだろ!」

バイデン「自転車で並んで走るなら切り替えは同じじゃなきゃダメだろ」

バイデン「あいつが切り替えを重くしてたせいで」

バイデン「もう片方のやつは必死でペダルこいでたからな」

バイデン「仲よさそうに並んで走っているように見せかけながら」

バイデン「やつは心の中では並んで走る友人のことを『ふん、愚か者め』と蔑んでいるんだ」

バイデン「それに気づいたあと、わたくしは非常に気分が重くなった」

サンダース「・・・・」

バイデン「カレー食おうとしたら米炊くの忘れてたし」

バイデン「あの日はパックマンも即効で負けたんだ」

バイデン「おまえら何でわたくしの前に現れたんだ?と」

バイデン「おまえらのせいでわたくしの日常はボロボロだ!と」

バイデン「最近まであいつらに深い憎しみを抱いていたほどだ」

サンダース「いや」

サンダース「厳しいことを言うようだが」

サンダース「きみはもっとシンプルに世の中を見た方が良いんじゃないか」

サンダース「このままだときみはきっと今に疲れてしまうぞ」

バイデン「・・・・」

バイデン(泣きそうな顔のまま固まっている)

サンダース「む」

サンダース「ちょっと言いすぎたかな・・・・」

サンダース「バイデンさん、わしが悪かった」

バイデン「あのう、看護師さん」

バイデン「昼飯はまだかね?」

サンダース「もしもし?」

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ヴァイデン

サンダース「ええと、昼飯はもう食ったかなどうだったかな・・・・」

サンダース「なあバイデンさん」

バイデン「おい!」

サンダース「え?」

バイデン「わたくしをバイデンと呼ぶな!」

サンダース「何だ?どういうことだ?」

バイデン「これからはヴァイデンと呼んでくれ」

サンダース「ヴァイデン?いったいどうしたことなんだ?」

バイデン「ほら」

バイデン「ヴァンヘイレン知ってるだろ?」

サンダース「うむ」

バイデン「あまり賑わっていない中古レコード屋に入ったと思いねえ」

バイデン「たまにヴァンヘイレンのことをバンヘイレンて書いてるやつがいるんだ」

バイデン「ヴァンヘイレンとバンヘイレン」

バイデン「ぜんぜん違うもんだろ」

バイデン「ヴァンヘイレンメンバーの気持ちを考えてみろ」

バイデン「バンヘイレンなんて書いてるやつがいることを知ったらどういう気持ちになると思う?」

バイデン「エディはきっと泣いたはずだ!」

バイデン「例えば、ばばあもそうだ」

バイデン「ヴぁヴぁあって言った方がかっこいいだろ」

バイデン「ばばあにばばあ!って言ったら絶対に怒られるが、ばばあにヴぁヴぁあって言ったら多分喜んでくれるはずなんだ」

サンダース「そうかな」

バイデン「バイデンとヴァイデンもそうなんだ」

バイデン「小さな違いが大きな違いを生むことがあるんだ」

バイデン「それと同じだ」

バイデン「それが自然の摂理というものだ」

バイデン「なあ、サンダースさん」

バイデン「あんたならわかるだろ」

サンダース「ぜんぜんわからんわ」

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走馬灯

オバマ「ああ、こわ・・・・」

ヤツェニュク「どうしましたか」

オバマ「思い出しただけで身体が震えるわ・・・・」

オバマ「ああ、やだやだ・・・・」

ヤツェニュク「大丈夫ですか」

オバマ「これはきっと誰もが怖いと賛同してくれるだろうと思う」

ヤツェニュク「何があったんでしょうか」

オバマ「俺はバンジーが好きなんだ」

ヤツェニュク「へえ、バンジー怖くないんですか?」

オバマ「ぜんぜん怖くない」

オバマ「あれに比べたら・・・・」

ヤツェニュク「バンジーよりも怖いものがあるんですか・・・・」

ヤツェニュク「非常に気になります」

オバマ「じつは先日もバンジーをやりに行ったんだ」

オバマ「ずっとやりたくてうずうずしてしようがなかったんだ」

オバマ「いよいよ飛べる!」

オバマ「よっしゃあ、飛ぶぞおお」

オバマ「足が空(くう)を蹴った瞬間だった」

オバマ「後ろの方で誰かが」

オバマ「ちょっと待って」

オバマ「って言ったんだ」

オバマ「そのあとの記憶はない」

オバマ「気づいたら病院のベッドの上だった」

ヤツェニュク「え?!まさか、バンジーで事故ったんですか?」

オバマ「そう思うだろ?」

オバマ「でも、別に何もなかった」

オバマ「だいたい事故ってたらここにいないだろ」

ヤツェニュク「ごもっともです」

オバマ「ただ、あのひとことを聞いてオレは気絶したみたいなんだ」

オバマ「ただそれだけのことなんだが」

オバマ「バンジーで飛ぶ瞬間に『ちょっと待って』はふつう禁句だろ」

オバマ「オレは殺意を感じた」

オバマ「あれはマジで怖い」

オバマ「で、あとで聞いたんだが」

オバマ「背後でバンジーのスタッフ同士で金を返せとか返せないとかやりとりがあったらしいんだ」

オバマ「しかも千円、二千円のレベルだぞ」

オバマ「あとでやれよ」

オバマ「それで金借りてるやつの『もうちょっと待って』という言葉が飛んだ瞬間に耳に入ったんだ」

ヤツェニュク「飛んだ瞬間に、ですか・・・・」

オバマ「そう、飛んだ瞬間だ・・・・」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「・・・・」

ヤツェニュク「・・・・」

オバマ「・・・・」

ヤツェニュク「とんでもないですね」

オバマ「おまえぜんぜん興味ないだろ」

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陰謀

根本「あのさ」

記者「はい」

根本「うんこで本当に運がつくと思うか?」

記者「え?」

記者「わたくしにはちょっとわかりません」

根本「ぼくはこう思うんだ」

根本「誰かが『うんこで運がつく』というウソを広めて日本人を貶めようとしているんだ」

根本「全日本人にウンコを踏ませたいやつがいるんだ」

根本「そうはいくか!」

根本「ぼくが気づいたからには止めてやる!」

根本「今こそ、この陰謀を止めねばならないんだ!」

記者「・・・・」

根本「そうしなければ我々は悪に征服されてしまう!」

根本「うんこを踏んだら運が悪いんだってことをみんなに教えなければならない!」

記者「・・・・」

根本「いや」

根本「何とかしろよ」

記者「えっ?」

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